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防湿・防錆ミニ講座
STEP3 乾燥剤を使った防湿・防錆について  【 輸送・保管における乾燥剤の使い方 】
◆輸送・保管における乾燥剤の使い方

前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ乾燥剤を使用した防錆・防湿対策について考えてみることにしましょう。

1.ソフトとハードの関係
ステップ2で説明の通り、乾燥剤の使用は除去法に当てはまります。
この場合、遮断法(空間)との併用が必要になりますが、遮断レベルによって当然、乾燥剤の能力にも影響してきます。
乾燥剤をソフトと考えた場合、遮断する事自体はハード的な関係に位置付けされます。
錆や湿気の対策が必要な製品を輸送したり保管する場合、機械的な対策(空調設備等での除湿)が施されていれば問題ありませんが、それは現実問題として少々難しいようです。
昨今では、世界中のありとあらゆる国へ日本の製品を輸出し、逆もまたしかりです。
そのような輸送過程において空調設備を取り付けた状態いうのは有り得ませんね。
最も一般的なスタイルとしてバリヤ梱包と呼ばれるものが代表ですが、バリヤには壁という意味があるとおり、空間を遮断する梱包方法です。

何から遮断するかといえば、梱包外気にある水分の侵入を防止するのが目的になります。しかし、バリヤと一口に言ってもその種類は様々で、バリヤ性能の良いものもあれば悪いものもそれぞれです。
乾燥剤が最大で吸湿できる能力は変えられませんので、せっかくバリヤ包装しても乾燥剤の能力以上に水分が入ってきてしまっては大切な製品にダメージを与えてしまう事になります。
つまり、乾燥剤を使用する場合、乾燥剤の規定能力以上の水分が入り込まないだけの遮断能力を持つバリヤ包材を使わなければならないということです。
また、どんなに性能の良いバリヤ包材でも、長期間には少しずつ水分が入ってきます。この水分を取り除くために乾燥剤は必要になりますし、乾燥剤の効果を発揮させる為にもやはりバリヤ包材がなくてはならない存在なのです。
コンピュータと同じように、ハードだけでは使いものになりませんし、ソフトだけでも同じことです。どちらか一方が欠けていても防錆梱包にはならないものですね。
付け足しになりますが、バリヤ性能は必ずしも最高のものを使う必要はありません。ハードの能力不足はソフトの能力を増やす事で補えますから、安全性やコストのバランスで決めることが大切です。


2.温度管理
防錆・防湿対策において一番と言っても過言ではないほど重要なキーワードがあります。
ステップ1をご理解されている皆さんはお気づきだと思いますが、それが温度の管理です。
乾燥剤とバリヤ梱包でどんなに素晴らしい対応をしても、温度変化によって引き起こされるトラブルには対処できないものです。
たしかに乾燥剤は空気中の水蒸気を吸着する能力を持っていますが、一瞬で水分がなくなるわけではありません。
乾燥剤で低湿度に保たれている密閉空間の場合、天候等で日常的に引き起こされる温度変化には対応可能です。

しかし「空気は温度が低いほど少ししか水蒸気を含むことができず、温度が高くなればなるほど含むことができる水蒸気量が多くなる」という理論通り、急激な温度変化によって結露が引き起こされる場面が多々あります。
特に急激な温度の低下があった場合、乾燥剤の能力を超えて梱包内部の空気は露点を超えてしまいます。
また、寒冷地輸送においては低温状態にさらされた製品を暖かい室内に移動させた瞬間に、その表面に結露が起こります。
冬になると窓の内側に露がつきますが、これと同じ理屈ですね。
※急激な温度変化は厳禁!!
3.併用方法
乾燥剤を使用した対策は防湿対策と同義であると言えますが、金属防錆だけに限った場合、油(防錆油)や防錆剤との併用も効果があります。 しかし、防錆油や防錆剤では結露を防ぐ事ができませんので、可能な限り結露対策も併せてお考えいただくことをお薦めします。

皆さんの大切な製品を湿気によるダメージから守る為に少しでもお役に立てれば嬉しいものです。
 
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